【事後アンケートに記載いただいた内容を転記】
プラスチックステントを留置する際、6Frを入れるときと7Frを入れるときがありますが、どのような違いがあるのでしょうか?
質問頂きありがとうございます.
私見にはなりますが,ENBDチューブの6Frと7Frについて解説していきたいと思います.
10年ほどくらい前にはENBDチューブといえばほとんど7Frの規格でしたが,最近では細径化が進んでおり現在では4FrのENBDチューブもあります.径が太いほど内腔も広くなりますが,メーカーごとに外径と内径の比は様々です.
ENBDチューブを留置する際の目的は胆汁のドレナージですが,胆汁には感染している場合と感染していない場合があります.感染していない場合には4Frのチューブでも十分ドレナージ可能であり,細径の方が患者さんも楽です.しかしながら,折れやすい(キンクしやすい)といった欠点もあります.胆汁が黄色透明(正常)→緑色(やや感染)→混濁(しっかり感染)となるにしたがって感染度も上がっていきます.混濁した場合には6Frか7Frでのドレナージがいいと思います.6FrのENBDチューブでもまあまあドレナージ可能ですが,個人的には排液が乏しく胆管炎のコントロールが付きづらい際には7Frへのサイズアップを検討しています.感染がなく患者さんの不快感が強い場合には5Frなどにサイズダウンしてもいいと思います.いづれの場合も基本的には6FrのENBDチューブを1stでチョイスして問題はないと思います.わずか1Frですが,7Frと6Frを比べると患者さんの感じ方はだいぶ違うようです.
また肝門部領域胆管狭窄で胆管が泣き別れになっている場合で2領域にENBDチューブを留置しようとした際,鉗子口が4.2㎜の内視鏡であれば6FrのENBDチューブを2本同時に留置することができます(たぶん).昔のように1本留置してスコープを抜去→再挿入→2本目のENBDチューブを留置している間に1本目のチューブが抜けてしまう...ような大惨事を回避することもできます.
また何かありましたら追加でコメント頂ければ幸いです.
飯山日赤 渡邉貴之